2010年09月16日

ガラスのブドウようやく秋の気配が感じられるようになりました。信州では、本格的な葡萄の出荷が始まったと、知人から便りが届きました。今年は、暑かったので、甘くおいしい葡萄になったとか。ほっとした様子が伝わってきました。
ごきげんいかがですか。
東京 池袋 萩原歯科医院 萩原です。


最近、口臭についてのお問い合わせが大変多く寄せられます。

そして、その中の何人かの方は、実際に相談に来院されました。


そうした中、口臭を考える上で、歯科医師がまずとるべき基本的な対応が行われていないケースがいくつもあることに驚きました。

今日は、正しい口臭対策についてお話いたします。

相談にみえた患者さんの中には、口臭対策として、歯科医師がまず行うべき基本の処置が不十分なまま、(比較的高価な)特別な(効果があると言われているらしい?)歯磨き粉や、うがい液(リンス液)の継続使用を勧められた方もいらしゃいました。

もちろん、効果が上がらなかったため、相談にみえたのです。

私は、歯科医院として、あまりにも当然すぎる、そして、あまりにも基本すぎる内容なので、わざわざブログに書いて、皆さんにお伝えする必要もないことかと思ってきましたが、やはり、歯科医院によっては、口臭対策として、最も基本的な部分をおろそかにしている事実を目にしてしまいましたので、受診する患者さん側の知識として、知っておいたほうが良い、正しい口臭対策についてお伝えします。


まず、
口臭には、次の3つの種類があります。

1・誰にでもある生理的口臭
  (朝起きた時、空腹時、月経時、緊張時、加齢など)
2・治療が必要な病的な口臭
3・実際には臭わない心理的な口臭


その中で一番多いのは、2・治療が必要な病的な口臭 です。

そして、病的な口臭の原因の90%は口の中にあるといわれています。
虫歯や口腔軟組織疾患、口腔悪性腫瘍などが上げられますが、
その中でも、歯周病が最大の原因です。

また、病的な口臭は、口以外の原因、たとえば、鼻疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、糖尿病、尿毒症、肝臓病などの全身の病気やストレスが原因で起こることもあります。



口臭の対策として、
まず、歯周病の第一の原因でもあるプラーク(歯垢)を落とすことから始めなければなりません。


つまり、口臭対策の第一歩は、
何よりもまず、
歯の汚れ・プラーク(歯垢)を完全に取り除くこと、
正しい磨き方を身につけることと、専門的なクリーニングです。


虫歯治療、不良な治療のやり直し、舌苔の除去なども、もちろん必要になるかもしれませんし、ひょっとしたら、全身的な病気の有無も調べなければならないかも知れません。
が、まず、歯垢や歯石をきちんと落とすことをしないで、次に進むことは無意味です。


一般にプラーク(歯垢)と言われている歯の汚れは、簡単に言うと、膨大なバイ菌とそれが作り出すネバネバした分泌物の集まりです。

萩原歯科医院では時々患者さんのプラーク(歯垢)をプレパラートに乗せて、顕微鏡で拡大してみていただきますが、ほとんどの方が、その中で大量にうごめく細菌の姿に驚かれます。

時には、こんなものが自分の口の中にいるかと思うと気持が悪いと、おっしゃる方もいます。

そして、お口がきれいな方は、その細菌を探すのが難しいくらい数が少なかったり、細菌を見つけても、動きが鈍い状態です。
が、口臭で悩んでいる方の多くは、とても活発な大量の細菌がお口の中に存在しています。


このプラーク(歯垢)、
実は、歯ブラシや補助用具、専門的な清掃機器などの、道具や機械を使って、きちんとこすり落としたり、かき落とさない限り、お口の中からなくなりません。

プラーク(歯垢)はバイオフィルムというもので守られ、歯に強固に付着しています。
そのため、抗生物質や殺菌剤などが効きにくく、また、水に溶けない性質のため、お口をゆすいでも、うがいをしても取れないのです。


ちょうど、台所やお風呂の流しの排水溝の汚れと同じと考えてください。
台所用の強力な薬剤を使っても、スポンジでこすらない限り、しっかりすっきりとは落ちないものです。

歯の汚れも同じですし、
一度落としたからと言って、定期的なお手入れをしないと、また、こびりついてしまうところも同じです。


また、歯の場合、家庭内での歯磨きだけでは、どうしても届かない部分があり、取りきれない汚れが残ります。
それは、歯科医院で専門家によるクリーニングが必要です。

さらに、必要になるのが、きれいなお口の状態を維持するために、その方に合った、その方の歯ブラシの動かし方の癖や、歯並びの状況にあった、その方にとっての正しい歯磨きの方法を身につけることです。


歯磨きの指導は、一度ではうまくいきません。
話を聞いただけでは、実際にはできません。

自動車の運転と同じですね。
いくら本を読んでも、一度教えてもらっても、運転できるようになるには、教習所に通い、繰り返し学ぶ必要があります。

しかも、一度できたと思っても、運転しないと、うまくできなくなってしまうところも同じです。



ここまでやって、お口の環境をきれいにしてもなお、口臭が治らないときに、初めて、次の段階の治療を考える必要が出てきます。

私は、口臭対策のために、口腔清掃と歯磨き指導をきちんと行わずして、やらなくても良い「昔の、あっていない治療(往々にして歯科医師が指摘しますが…)」のやり直しなど、全く無意味だと思っています。
むしろ、やるべきではないでしょう。

(誤解しないでいただくために申し添えると、もちろん、やり直しが本当に必要な治療もあります。)


同じように、お口の中を徹底的にきれいにしないで、特別な口臭対策と称して、高価な歯磨き剤や、歯科用リンス液を使用する必要もないと思っています。


プラーク(歯垢)は歯に強固に付着していて、抗生物質や殺菌剤などが効きにくく、また、水に溶けない性質のため、お口をゆすいでも、うがいをしても取れないのです。


お口の中の対応をしてもなお、口臭が治らない場合は、
「鼻疾患」「呼吸器疾患」「消化器疾患」 「糖尿病」 「尿毒症」 「肝臓病」などの全身の病気があるかもしれません。専門の科を、きちんと受診しましょう。

また、 ストレスをなるべく少なくするような生活を心がけましょう。

特有なにおいのある食べ物(にんにく・ねぎなど)を偏ってとらないことも、心がけるとよいでしょう。





口臭は様々な人間関係に影響を及ぼすこともあります。
でも、対策の基本は実は、とても地道な基本的な方法です。

歯磨きの方法は、元に戻りやすいものです。
定期的にチェックを受けましょう。
歯磨きだけでは取り除けない汚れを専門的なクリーニングで定期的に取り除きましょう。




口臭については、萩原歯科医院の歯周病サイト、口臭のページにも詳しく出ています。
ご覧ください。
http://www.shisyuubyou.com/kousyu.html





家族に行かせたい歯科医院をコンセプトにして、作られている萩原歯科医院。

歯に関する様々な悩みのある方は、医院特設サイトをご覧ください。

「入れ歯+インプラント」という新しい選択肢
http://www.ireba-implant.com/

入れ歯の悩みを考える
http://www.ireba-info.jp/

まだ間に合う歯周病治療とアフターケア
http://www.shisyuubyou.com/

私の家族に受けさせたい歯科治療 萩原歯科医院
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hagiwara/

インプラントが不安な方へ
http://www.implant-info.jp/




「萩原歯科院10の約束」
1 高い技術を追求します
2 痛くない治療にこだわります 
3 長くもつ治療をおこないます
4 予防を重視した治療方針を提案します
5 優れたメンテナンスシステムを追及します
6 安全な治療環境のため感染予防を徹底します
7 患者さんを待たせません
8 わかりやすく、詳しい説明をおこないます
9 プライバシーを尊重します(個室)
10 マナーを重視し、人間尊重の院内教育を継続します

歯科医師にとっても、歯科衛生士にとっても、歯科助手にとっても、自分が行きたいと思える歯科医院。自信を持って家族や大切な人に来ていただけるような、誰にでも誇れるホスピタリティーに満ちた歯科医院を目指します。



東京 池袋 萩原歯科医院

          萩原 眞
          萩原 麗子



dentalhagiwaradentalhagiwara at 12:42│コメント(0)知って得する歯科の知識 | 歯周病の本当の話

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