2011年07月16日

将来を見通した長持ちのする治療法を探るためには、いくつかの治療を組み合わせる必要が出てきます。歯の状態がある一線を越えると、一つの専門知識だけでは対応が難しく、トータルに考える診断力が必要とされます。このところ、そういった、あちこちの歯が悪くなってしまった患者さんの相談が増えています。

治療1

ご機嫌いかがですか。
萩原歯科医院 萩原です。



最近、相談希望の患者さんがさらに増え、遠方からも暑い中、わざわざ来院してくださいます。

相談の患者さんが増えることは、
「おかげさまで」と言うべきなのかもしれませんが、
こんなにも歯で困っている患者さん、しかも、
ほとんどが本当に大変な状態の方が、次から次へと多くいらっしゃるのを目の当たりにすると、
歯科医師は他にもたくさんいるはずなのに、と複雑な気持ちにさせられます。


多くの患者さんが
「私のように歯が悪い患者は、先生も見たことがないと思いますが…」
と、切りだします。

「大丈夫です。
萩原歯科医院には、たくさんの重症の方が来院されていますので、
まず驚くことはありません。」と私が答えると、
ほっと、患者さんの表情が緩みます。


そうした相談を続けている中で最近、特に気になるのは、トータルの診断力の必要性です。

患者さんのお口の状態が、ある一線を越えてしまうと、
あらゆる分野の知識と治療経験を持った歯科医師でないと、
お口の中全体の治療がうまくいかない場合が、しばしば起こります。


人間の口の中は、歯周病だけに罹(かか)るわけではありません。

虫歯に対する知識も必要です。

歯周病治療の後で、審美的な詰め物をしなければならない場合もあります。

セラミックの冠を作る場合もあるでしょう。

噛む力を考慮して、セラミックよりも割れにくい材料を検討する必要性も出てくるかもしれません。

ブリッジが必要かもしれません。

入れ歯になるかもしれません。

入れ歯だけでは対応できない場合も多く、
インプラントの技術も欠かせません。

骨が少ない場合に対応するインプラントの最新の技術の習得も必要です。

矯正治療もできなければ、なりませんし、
予防や、メインテンスが不足していては、お口の健康の維持は不可能です。


ここで、ある患者さんのお話をしましょう。
この方は、ある歯科大学の歯周病科に通院されていましたが、抜かなければならない歯も何本かありそうでした。
歯周病治療後にどういった治療法で治していくか、歯周病科の主治医に相談をしても、はっきりとした展望が見えなくて、不安を覚えて来院されました。

歯科大学は最新の研究や治療が行われる専門性の高い施設です。

専門の治療分野についてはおそらく開業医では太刀打ちできないほどの素晴らしい成果を上げていることだと思います。

しかし、ある一線を越えてしまった状態のお口になると、
歯周病だけでは対応しきれなくなることが、よく起こります。
歯周病治療そのものは、もちろん不可欠ですが、その後に進んでいく治療を把握しながら進めていくことも重要な要素です。

歯周病治療後の義歯なり、インプラントなりの治療法を長持ちさせるために、または、うまく機能させるために
・どの位置の歯を残す必要があるか、
・どの歯が、長持ちする治療の「カギ」を握る歯になるか、
・無理に残すことが義歯やインプラントに対して悪影響を及ぼさないか
など、あらゆる状況について、検討をしながら一つ一つ決める必要が生じてきます。

もちろん、そういったことも他科の先生とのコミュニケーションを取りながら見事にされていく歯科医師もいらっしゃいますが、
残念ながら、うまくいっていない場合もあるようです。

専門医の治療を受けているが、将来的な見通しについて、話を聞くことができない、との理由で、少なくない人数の方が相談に来院されています。



インプラント専門医に通われた患者さんも
片方の顎は、インプラントで良いものの、もう片方の顎は入れ歯治療になり、入れ歯が全くうまくいかないことから、相談に見えました。

あるいは、
インプラントはうまくいったものの、その歯と噛みあうもう一方の顎の歯の歯周病治療が行われていなかったために、歯周病にかかっている歯がインプラントの歯に負けてしまって、悪化した方もいます。
インプラントをしたら、その歯以外の部分がどうなるかまでも考える必要があるのです。

治療すべき点が、インプラントだけ、という場合には、あまり問題は起こらないと思います。

が、ある一線を越えてしまっているお口の状態では、
「歯周病治療も必要、」
「入れ歯治療も考えなければならない、」
「必要とあれば部分的な矯正治療も行ってから最終のものを作る必要がある、」
などという場合が多いのが実情です。

せっかく治した治療がすぐに使えなくなることがおきないように、
慎重に、トータルで考えることが欠かせません。



歯科治療は、掛け算だと、私は考えています。

萩原歯科は、大学や、ある専門性の高い分野を持つ歯科医師のように、一つ一つの分野のレベルが100点だとは、もちろん思っていません。
りっばな技術や知識を持った歯科医師はたくさんいると思います。

しかし、私は、一つのことだけに突出するだけでは、難しい症例には太刀打ちできないと思っています。
歯周病も、入れ歯も、インプラントも、予防も、審美も、メインテナンスも、すべての分野で、80点の合格点以上を取れるように研鑽を積んでいなければ、やり直しのない治療、長持ちする治療をすることはなかなか難しいと思っています。

実際に、相談に来院される患者さんの多くは、すでに治療をされている方ばかりです。
しかも、比較的短い期間でやり直す必要が出てきているようです。


具体的に、掛け算の話を少ししてみましょう。

例えば、インプラント治療が100点以上の力を持っていても、
歯周病治療や予防のレベルが0点に近かったら、その方のお口の治療は、長持ちするかどうかわわからない、という懸念が出てきます
つまり、私が考える「長期間のお口全体の健康維持」としては、あまり高いレベルの治療にならない、と思います。


長くなってしまいました。
まだまだお知らせしたい話がたくさんあります。

虫歯治療の新しい考え方が2000年に国際歯科連盟から出されたものの、まだ、「黒くなっているから削ろう」という治療も行われているようです。
本当に削って治療をする必要があるかどうか、その基準が新しくなり、
以前は削っていた虫歯も、削ることによる弊害を考慮するようになりました。

「歯の色が少し変わったからと言って、すぐに削って詰めるのは待ってください。」
といった、虫歯治療の話もお知らせしたい分野です。

その一方で、
歯を残すことをまず考えることが基本ですが、意味もなく残しておくことで顎の骨を失ってしまう場合もあります。
抜きたくないお気持ちもよく理解しつつ、ある一線を越えてしまった歯周病の歯を残すことの弊害があることもお知らせしたい分野です。


また改めて、ご報告いたします。

歯の悩みは、
大変デリケートな部分を含み、お口の悩みがなくなると、驚くほど明るく変わります。

患者さんの明るい表情が長期間続くような治療、それこそが、歯科医師としての本当の技量であり、歯科医師としての使命だと私は思っています。


歯科について、こんなことを相談してもいいのだろうか、
誰に相談したらよいだろう、と悩んでいる方は、
どうぞ、一度、萩原歯科医院の日曜無料相談会をご利用ください。

次回は、7月24日に日曜相談会を予定しています。
お一人の患者さんに約1時間の時間を取って、じっくりとお話を伺いますので、
人数が限定されております。

ご希望の方は、お早めにお電話でお問い合わせください。
0120-185-255

*なお、お口の中の状態についての簡易診断がご希望の場合は、レントゲン撮影をして具体的なお話をすることもできますが、その場合は費用がかかりますので、ご了承ください。


メール相談も行っております。
(下記サイト内、相談のページからどうそ。)


萩原歯科医院は
やり直しのない治療を目指して、
家族に行かせたい歯科医院をコンセプトにして、作られている歯科医院です。

下記の、医院特設サイトもご覧ください。

入れ歯治療特設サイト
「噛めない入れ歯は意味がない」
http://www.ireba-info.jp/

インプラント特設サイト
「不安の少ないインプラント」
http://www.implant-info.jp/

「入れ歯+インプラント」併用治療特設サイト
http://www.ireba-implant.com/

歯周病治療特設サイト
「歯周病だから 抜く、その前に」
http://www.shisyuubyou.com/

私の家族に受けさせたい歯科治療 萩原歯科医院特設サイト
「やり直しのない歯科治療を」
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~hagiwara/





「萩原歯科院10の約束」
1 高い技術を追求します
2 痛くない治療にこだわります 
3 長くもつ治療をおこないます
4 予防を重視した治療方針を提案します
5 優れたメンテナンスシステムを追及します
6 安全な治療環境のため感染予防を徹底します
7 患者さんを待たせません
8 わかりやすく、詳しい説明をおこないます
9 プライバシーを尊重します(個室)
10 マナーを重視し、人間尊重の院内教育を継続します

歯科医師にとっても、歯科衛生士にとっても、歯科助手にとっても、自分が行きたいと思える歯科医院。自信を持って家族や大切な人に来ていただけるような、誰にでも誇れるホスピタリティーに満ちた歯科医院を目指します。



東京 池袋 萩原歯科医院

          萩原 眞
          萩原 麗子


dentalhagiwaradentalhagiwara at 12:38│コメント(0)知って得する歯科の知識 | 長持ちする歯科治療を目指すシステム

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